刊行当時、もしこの本に出会っていたら、私はカウンセリングの勉強をしていなかったかも知れない。なぜなら、カウンセリングに当時抱いていたイメージと、本書の内容は大幅に乖離しているからである。 10年以上前、カウンセリングとは、“心”を扱う援助的行為と思っていた。しかし、実際カウンセリングが対象とするのはむしろ関係性(もちろん、個人の心も包含した)の方である。 私自身が、なぜカウンセリングを勉強し、今カウンセリングに対してどのような距離感を持っているのかを計るために、あえて入門書を手に取ってみた次第だが、改めて、カウンセリングは思弁ではなく、実践の中においてこそ存在するものだと気付かされた。