父亡き後、叔父に店を乗っ取られた兄弟が小さな菓子屋を力を合わせて営んでゆく。 季節や場面に合わせてあつらえた和菓子の美しさと人の情に心がなごみます。 おっとりと優しく、菓子には気も手も抜かない兄と、客あしらいがみごとでキレ者の弟。 田牧大和のキャラクター造形はいつも秀逸。登場人物が好きになれないと全然物語の世界に入っていけない私ですが、この作者の作品はどれも安心して手に取れます。 人間の描写もさることながら、和菓子の描写がまた素晴らしい。読んだだけで味やかたちのイメージが浮かび、はかなげな色合いまで見えるようです。 甘党の私には毒ですね(笑)