シリーズ9作目。火事で焼け出され、升川屋に住まわせてもらっていたお妙。贔屓の旦那衆の助けで替地に新しい店が立ち、「ぜんや」として営業を再会することができた。2階に住んでいた只次郎は、お妙に詳細を告げぬまま、独立して鶯指南場を開くとのこと。お妙の胸中は穏やかではない。しかし、只次郎の引っ越し先は、空いていた隣の店だった。俵屋に奉公に出ている熊吉が、只次郎の手伝いをしに通うようになった。只次郎はお妙の父・佐野秀晴の死の真相を探るため鶯指南の伝手を頼りに、さる大名に接触する。お妙と忠次郎の仲はどう進むのか。季節の料理の描写も鮮やか。