いよいよ関ケ原。上巻はその「前夜」の諸将の動向だ。福島正則ら七将が石田三成を襲撃し、五大老筆頭の家康が調停する。その実務レベルで茂兵衛が活躍するのは、なんとも嬉しい。著者による各武将の性格描写が、世間一般に広がる印象と違っているのも楽しいところだ。本書終盤では、秀頼の重陽の節句を祝うために大坂城に滞在中の家康が襲撃される。史実ではないだろうが、西の丸に家康が居座る口実にするとはなかなか。この暗殺未遂で茂兵衛は瀕死の重傷を負ってしまうが……。これで関ケ原の戦いのお膳立ては整った。下巻を待つ!