ドラえもんはテレビでよく見ていたが藤子・F・不二雄氏の漫画を手に取ったのは初めてで、他の短編集と比べてどうかということは、わからない。 ただこの一冊を見ただけで藤子・F・不二雄氏の見識の高さには驚かされた。本書の初出は昭和49年から昭和58年に描かれた物で氏が漫画を描きながらも新しい知識を得ようとしていたことが伺える。 昭和51年少年サンデー増刊号に掲載されたという漫画の中には「染色体の中のDNAが、RNAに指令を出してたんぱく質を作り、設計図どおりの体を組み立てているんだよ」というセリフが有る。今でこそネットなどでDNAのことは簡単に調べられるが、当時の情報量でこのような知識を得ていたことに驚かされる。しかも生物学者でもなく漫画家が仕事をしながら。 そして藤子・F・不二雄氏のすごいところはこの知識を基にして、しっかりとSF(すこしふしぎ)作品になっているということ。 子供のころなんとなく見ていたドラえもんがこんなに深い知識に裏打ちされていたことに、またすこしふしぎな気分になれました。