冷静に

39年前、御巣鷹山に墜落した日航123便。この事故で死亡した夫のために、その墜落原因を知りたいと願う吉備素子さんを中心に、弁護士らに取材。JALはもとより、政府の隠蔽体質に迫る。シリーズとして何作か出版しているようだが、本作にお限って言えば著者が些かヒステリックに感じられ、吉備さんの純粋な願い、また弁護団の真摯な姿勢が素直に伝わってこない。239ページ、11行目に「自体は一変する」とあるが「事態」の間違いだろう。とりわけノンフィクションの場合、こうした変換ミスはいただけない。正確さを期すためにも森永卓郎氏の著書を読んでみたくなった。この事故を使った小説となると山崎豊子氏はもちろん、横山秀夫氏の傑作を思い出す。