欧米人の従軍記者から見た日露戦争中の乃木大将が主に描かれている。明治が去り、日清・日露の両役に完勝したと思いあがっている日本人。欧米文化をまねて、古き日本の精神を失ってしまった日本人。そのような人々に対する書としての性格があるように思われるが、平成のいま、この書を手にする人はすでに、そういう問題意識を持っているのではないか。乃木大将の実像に迫りたいという人にはよい本かもしれない。