虚実入り交じる場となったSNSの現在

SNSを利用したソーシャルメディアの躍進により、戦争は強力な兵器だけでなく、「言葉」と「ナラティブ(語り)」でも戦う時代に突入した。 そしてその担い手は、国家や既存メディアだけでなく、団体や個人もまたそうなっていく――。 SNS時代の戦争とジャーナリズムを抉る、渾身のレポート。 SNSは個人の情報発信力を伸ばし、良い意味でも悪い意味でも、国家や既存メディアのそれに負けない、または彼らもまたそれを利用せざるを得ない状況を作った。 2024年現在、SNSは、国家から個人まで、マクロからミクロまで、「言葉」と「ナラティブ(語り)」で争い合う大小様々な紛争が四六時中発生する場と化している。 双方が現実の武器で応酬し合う一方、SNS上ではナラティブで応酬し合う。テロリストやカルトが詐欺の手法を利用して、SNS上で相手を誘惑する投稿をし、網にかかった獲物を洗脳し支援者に仕立てる。トロール(支持者や雇い主に都合の良い情報を作成し発信する投稿者ら)がSNSの投稿で情報操作を行い、市民(公民)の意志誘導を図る。 いつ自身が紛争の当事者になるかもしれない現況において、本書は、SNSにどう臨めばいいかを示してくれる――例えば。 "SNS上でのカウンター・ナラティブ(相手へ直接反論する行為)は相手の土俵(アウェイ)で戦うようなもので悪手だ。それよりも、オルタナティブ・ナラティブ(相手のナラティブに取って代わるナラティブ)を発信する方がより効果がある。"