『比ぶ者なき』(ならぶものなき)を愉しく読了していたが、その「続篇」と聞いて入手し、これも非常に愉しんだ。
『比ぶ者なき』のこの藤原不比等には4人の息子達が在った。上から順に武智麻呂、房前、宇合、麻呂の4人の兄弟である。
藤原不比等が他界した後、平城京の朝廷で大きな存在感を示していたのは長屋王である。この長屋王と最初に向き合うのが武智麻呂や房前という長兄、次兄ということになる。
次兄の房前は“内臣”として天皇夫妻の周辺の事務を扱う。長兄の武智麻呂は“中納言”として政務に参画する。「臣下としての在り方」を追い求めるような房前に対して、「一族の繁栄」、「“特別な一族”への道程」という「父の夢」を追うような武智麻呂が在る。そして2人の弟の宇合や麻呂はそれぞれの道を模索しようとする。
「四神」というのは、白虎、青龍、朱雀、玄武の「東西南北を守護するとされる霊獣」のことだが、これは末弟の麻呂の記憶の中に出て来る。父である不比等が麻呂に4人の兄弟は「四神」のように天皇夫妻を盛り立てなければならないと言っていたということになっている。
視点人物が兄弟の何れかで適宜切替わりながら物語は展開する。奈良時代の政治の中では<長屋王の変>というモノが或る程度知られている。それと藤原4兄弟の係わりが描かれる物語だ。
なかなかに面白かった!!
他のユーザのコメント