第2次大戦時、1945年3月の「東京大空襲」が凄惨極まりないものであったことは伝えられている。本書はその凄惨な有様を伝えることを主旨としているのでもない。凄惨な戦禍を潜り抜けた人達の「その後」というようなこと、必死に生きた戦後が在って、惹起した問題意識とそれを巡る論議というような内容が語られている訳だ。故に本書は「戦後史」と号するのだ。 「東京大空襲」は夥しい数の「孤児」を発生させてしまった。都内に居合わせて家族を失ったという子ども達も在れば、疎開で他所に出ていた間に家族を失う羽目に陥った子ども達も在る。そうした子ども達は「孤児」ということになって、「各々の不幸」というような経過を辿ってしまう。 そして焼夷弾が街を焼き尽くすという事態の中、「生涯を通じて苦しむ羽目」という障害を負う人達も多数発生した。そして多くの人達の財産も損なわれた。 そういう情況については、「街に留まって街を護るのだ!」と“同調圧力”的なモノを生じさせるような公の施策も在って、その故に生じてしまったということも否定し得ない訳だ。 所謂「戦後」という期間、戦禍を潜り抜けた人々は各々に必死に生きていた。年月を経て、「国の施策で開戦し、戦禍が国土を襲い、人々が被災した以上、国の幾許かの補償が在って然るべきだ」という問題意識が高まった。そして「このままでは生涯を閉じられない!」と多くの人達が訴訟というような活動に身を投じることになる。 そういうような経過に関して、実は殆ど知らずに居た。それらを伝えてくれた本書には感謝したい。 「東京大空襲」に象徴されるような、第2次大戦期の日本国内の戦禍に関して、「未解決!?」という「国の施策で開戦し、戦禍が国土を襲い、人々が被災した以上、国の幾許かの補償?」という問題が在ることが解った。そういう本書に触れ、世界の国々の事情を何となく思わずには居られなかった。 少し以前、何となく「やや旧い?」という程度の以前に、色々な場所で戦禍が生じた。そして残念ながら今でも大きな戦禍が生じている。そういう地域の人々に関して、「国の施策で開戦に至った以上、幾許かの補償?」とか、「戦禍をもたらした“落とし前”を付けるべき人達による補償?」というようなことは如何なっているのであろうか? し旧い経過を説くような内容を含みながら、「最近の情勢下でタイムリー?」という感だ。