「竜馬がゆく」、「功名が辻」、「坂の上の雲」など歴史について豊富な知識を持ち合わせた司馬遼太郎の晩年の対談集です。亡くなられたのが平成8年2月12日であり、この本で日本史、朝鮮史に詳しいロナルド・トビさんとの対談が平成8年2月6日なので、本当に題名の通り「遺言」だと感じる本です。 内容的には経済評論家、アニメ映画監督、経営コンサルタント、北海道の歴史研究者、滋賀県知事(後に大蔵大臣)など司馬さんとは違う分野での専門家と歴史を通じて対談する司馬さんの話がとても歴史という知識を大いに利用してると感じました。学生の頃、歴史のテストのためにしか歴史を利用していなかった自分にとっては恥ずかしい限りです。 経済の談話については時代によって、経済の考え方が変化するので、20年前の本という気がしますが、それ以外はとても大事なことが多く語られていると思います。 全編を通じて日本人の文化や土地を粗末にすることは、将来の日本が危なくなると訴えているような気がしました。 現在の欧米文化を取り込んだ近代化によって、日本独自の文化や自然が失うことを考えなくなったような気がします。日本では以前、マツの木が多かったようですが、今は環境破壊をなくそうとしても、マツではなく今の環境にあった木しか植えられないのはさびしい気がしました。