名画座

1976年、ベルリン国際映画祭。性描写が過激すぎると「逃げた祝祭」は失格となる。「愛のコリーダ」が出品された映画祭だ。「祝祭」に脇役で出演し、主題歌も歌った安西早智子は帰国後、シングルマザーとなったのだが、当時、協賛会社の社員として同行していた裕也のもとに、早智子の孫と名乗る女性が現れ「祖父を探して欲しい」と訴える。ミステリーとは些か違った展開だが、佐々木譲という作家は相当な映画ファンと判る。特にゴダール、アントニオーニ、トリュフォーといった監督の名や往時の映画が次々に盛り込まれ、団塊の世代には懐かしく、また嬉しい。劇的な最後もさすが。