ロシア文学最初の読了作品。 一人称で話が進んでいくが、主に周囲の人たちについての物語なので、一人称語りが基本的に苦手な私でも読み進めやすかった。 登場する人数は多いが、名前を覚えられなくてもほとんど支障はないと思う。 人間観察の力に長けていると思った。 個人的には第二部第六章「監獄の動物たち」が読んでいて一番辛かった章。 ただ、ストーリーは後半はやや退屈。 訳はおおむね良いが、「木戸銭」と「おべべ」は古いと思った。 「木戸銭」に関しては、訳者よりやや年下の家族に訊いたところ、「知っているが使ったことはない」とのこと。 また、第二部591ページの最後の部分「しかし彼が嫌いになることはなかった」は、「私が彼を」なのか「彼が私を」なのか、しばし考えてしまった。 日本語として訳した文章としては不自然ではないと思うが、本書に日本語の校正者はいなかったのかと思ってしまった。