すごい人が登場したな

著者は本書がデビュー作。すごい良書です。 ミルトン。フリードマンの理論だけでなく、その姿勢、生き方も学ばれていると感じます。 昔の岩波の青版新書のように丁寧に書かれていて、専門的な中にも一般の読者が関心をそらさない工夫がされています。 著者には実直にして控えな姿勢が感じらますが、これは大袈裟に政治や行政を批判するイデオロギッシュな経済学に対峙する計量的、実証的な経済学の立場を、フリードマン自身がそうであったと同様に、著者が踏襲しようとする姿勢と感じます。 関心をそそるここは、著者の文学部哲学科から転向して経済学を修めるという異色の経歴です。想像ですが、著者は社会哲学の観点で貨幣を学ばれてきたのではないだろうか。ケインズ経済学、マルクス経済学を学ぶ人たちには、貨幣は単なる交換の手段に過ぎない。経済学の研究の中心ではない。さらに貨幣なんてものは必要悪だと、きめつけているように感じることがあります。こうした感覚、先入観がマネタリズムに対する拒否感、忌避感の温床になっている想像されるのです。著者にはこれが全くありません。社会哲学の観点から貨幣、カンボジアの貨幣廃絶と虐殺の歴史など学ばれたのでは想像されます。すごいひとが登場したなと感じています。次作を大いに期待します。