鉄道旅行作家宮脇俊三氏が雪国旅行で取り上げていたこともあり、前から興味があった。著者鈴木牧之は、名字帯刀を許された名士とはいえ、一介の商人にもかかわらず、和漢の学に通じ、これほどの書を著したのは驚いた。 正月などの行事から、積雪期の苦労まで前近代の雪国の暮らしを知るには必読の一冊。古文は読みつけていないので、理解しがたい部分もあるが、挿絵が豊富で、総ルビに近い文体が幸い。 「雪中の用具」として、雪の中の服装には詳しいが、暖房には秋山の民家の囲炉裏の灰が深いことに触れた程度で、他には特段の記述がなかった。なので、越後と江戸とで差異がなかったのでは? と感じる。