絶対の正義、善の物語。悪意がなく、「善意」だけの世界。ただし、そこはあまりにも狭量で、想像力がない。故に、本人以外には残酷に映る。その行動原理は狂信者のようでありながら、しかし、彼らはごく普通の人。だから、登場人物を理解、感情移入しにくい(したくない)。ここで、最も理解しやすいのが、聖職者やアウトサイダーたち。彼らの行動原理はけっしてぶれず、そして自由。それを前にして、上から目線の「善意」を振るう人々は折れてしまうことになる。この辺から、作者のキリスト教的精神が読めそうなんだけど、一読だけだと難しい。