大相撲と鉄道との関わり合いを知る良書。

大相撲三役格行司にまで出世された木村銀治郎さんの鉄道趣味を活かした大相撲と鉄道との関わり合いを記した貴重な新書です。ご自身の半生や所属された相撲部屋の親方との関わり合いも貴重ですが、本題である大相撲と鉄道との関わり合いが興味深い内容です。大相撲の本場所が開催される両国国技館へ通う力士たちの階級による通勤方法から、大阪、名古屋、福岡の地方場所へと向かう親方衆と横綱と大関には4人分の座席が割り当てられて、関脇以下の関取衆には並びのグリーン車2座席、そして幕下以下の力士養成員には普通車指定席が1席のみ割り当てられる、その往復の新幹線は1年前から仮予約がなされて団体乗車券と特急券グリーン券などが日本相撲協会がJRから購入するなど。それ以外の地方巡業にはいわゆる相撲列車という団体列車が仕立てられて団体乗車券が発行されるのは今では定期列車からは消滅した急行列車扱いになる事など。更にその団体乗車券急行券指定席券の手書き団体乗車券類の実物画像も書籍内に収録されるこだわり振りです。最後には木村銀治郎さんの個人的な鉄道趣味から、激甚災害で列車が走らなくなった日田彦山線大行司駅へ幕内格行司の正装でカメラに収まるなど、日田彦山線BRT(バス鉄道転換交通システム)に転換していて、鉄道時代のプラットホーム上へはもう関係者以外は立てなくなっているので、その意味でも貴重な画像になっています。鉄道と大相撲とに思いを致す人には唯一無二の良書だと愚考いたします。