囲米の犯人を追い詰める正紀ら
一俵でも禄高が減れば旗本に格下げになるという、ぎりぎり一万石の小大名・下総高岡藩に婿入りした尾張徳川家一門の井上(竹腰)正紀、妻・京、家臣、領民の苦悩と苦闘を描くシリーズ第8弾。
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血と汗を流して江戸への廻米を果たしたものの、米価高騰は続いている。その理由は廻米がさらなる値上げを狙って隠匿されてしまったからだ。この囲米をしているのが、こともあろうか、老中のひとりだとの疑いが濃くなった。廻米に尽力した家臣の死に報いるためにも、囲米は断じて許せない。一万石が老中に闘いを挑む!
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正紀、その家臣、出入りの業者、老中首座・松平定信の片腕の御側用人・松平信明らが協力して、囲米で一儲けしようと企むを犯人を捜し、追い詰める過程が面白い。また、身ごもった正紀の妻・京の助言と行動が涙ぐましいです。
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■廻米(かいまい)とは?
江戸時代、幕府・諸藩が年貢米を主に江戸・大坂に廻漕(かいそう)したこと。また、その米。
■囲米(かこいまい)とは?
江戸時代、幕府や諸藩が領内に貯蔵した米。軍事上または災害や凶作の予備、米価の調節が目的。
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■本書の基本情報
・筆者:千野隆司(チノ タカシ)
・略歴:1951東京生まれ。國學院大學文学部文学科卒。出版社勤務を経て、'90年「夜の道行」で第12回小説推理新人賞を受賞。時代物シリーズを始めとする著書多数。
・出版:双葉社
・発売:2019年3月
・ページ数:275p
■これまでに購読した千野隆司の著書
・「出世侍」(全5巻)
・「おれは一万石」…第7巻まで(本書)
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