昭和29年から31年にかけての、神武景気(及び高度経済成長)に突入していく頃の東京を舞台とする物語。資産家の娘であるシングルマザー鏡子と、彼女の家に出入りしている知人男性4人のそれぞれの生き方が描かれます。登場人物の一人は悲劇的な死を迎えるので「豊饒の海」みたいに順番に死んでいくのか?と思うと・・・その一人を除けば、むしろ(若い頃にありがちな)頭の中だけで構築した人生観・世界観を卒業して「現実」と折り合い、ソフトランディングしていく姿が描かれているように感じました。当時の世相なども反映された、面白いストーリーだと思います。