ますます先が楽しみ

猫や鷹が死んでいたが、対象が人間になった。何の話かと言えば安殿の殺意である。第三巻でも表面は陽気に見せていたが、裏では密かに、皆に馬鹿にされていることや、自分が父親の期待に添わない息子である事に苦しんでいた。その矛先が物言わぬ相手に向けられていたが、今回は陰口を聞いていた女官に向けられた。次に彼の殺意が向かう先は、目の前で聡明さを見せつける異母弟・伊予親王だ。桓武天皇の父も熾烈な後継者争いを勝ち抜いてきたが、息子達の争いも水面下では始まっている。末っ子の気楽さから、安殿の視界から外れている神野親王。