ただただ打ちのめされる冒険譚

筆者はいわゆる冒険作家ではない。故に読者受けの表現、冒険挫折に対して自己欺瞞はせず素直に心情を吐露している。飾らない言葉で綴る心の葛藤から如何に北極が厳しい世界か伺い知れる。極地に対する筆者の思いはどんなに熱くストイックであることか。生温い現代社会に身を置いている自分にこの本を評価する資格なんてない。ただただ打ちのめされた。筆者の様に極地に行くことは無いが、日常を離れた場所、山の中で改めて読み返したい。ここに綴られた心情にほんの少しでも近づけたらと、思う。