筆者は大阪に何年間か住んで、色々と自ら親しんでいるような場所や催事というモノを持っている。主にそれらに関しての「以前」と「それから」とを比べながら、関わる人達の話しを聴き、実際に訪ねて現場を観て、そこで見受けられたことから感じた、考えたという事柄を綴っている。各章で取り上げている内容は、何れもなかなかに興味深い。 各章の内容は筆者にかなり引き寄せた感じであって、と言ってのめり込んでいるのでもなく、だからと言って突き放しているという感じでもない。「平熱の大阪」との程好い距離感で綴られている。 本書を読んでいると、筆者と何処かで出くわして「大阪で活動中…こういう気に入っているモノが在って、以前は…それが最近は…」というような調子の御話しをゆっくりと伺っているかのような気分にもなる。 読後に思ったのは、本書の内容は所謂“世相史”、“風俗史”というようなことで「少し先の時代の史料」にもなり得るというようなことである。 自身は「一定程度親しんでいる」という程度に大阪を知っている(つもり)かもしれないが、本書は「大阪?如何いう感じ?」と少しでも興味を覚える方なら、何方でも愉しめると思う。