「大教室での“話が面白い”と噂の教授の講義」に耳を傾けることに近いような感じでドンドンと読み進めた感じだ。実際、生物学関係の研究者であった著者は長く大学教員を務めていた経過も在るのだという。 内容は「漠然と抱く問題意識のような何か」に“形”を与えてくれるような感であると思う。非常に愉しく本書に付き合った… 冒頭部に近い辺りで、大きな災害の避難所で「実際に在ったという話し」が紹介されている。これには驚かざるを得ない… 500人程度の老若男女が避難所に在った。そこに“支援物資”というようなことで300枚の毛布が届いた。これに関して「この避難所の全員に行き渡らない…」ということで、結果的に黙殺されて毛布は使用されなかった…そんな出来事が実際に在ったらしい。 「500人程度の老若男女が在る災害時の避難所の300枚の毛布が支援物資として届いた」ということなら、体力の弱い子ども達や高齢者、或いは体調が思わしくない人達に使って頂けば善いというように思うのだが、「この避難所の全員に行き渡らない…」ということで「無かったことに…」というように黙殺された例が実際に在ったらしい。こういうのは、相当に想像力豊かな小説家でも思い浮かばないかもしれないような事態だと思う。 本書はそういう「やや驚かざるを得ない??」という事例も引きながら、「少し変じゃないか?!」という“平等”とやらで、この国の社会が少し「オカシイ様相?」を呈しているかもしれないというように思うという旨が綴られている。 そういうことで、昨今の感染症の問題に関する対応、大学のような場所で行われるようになった様々な最近の慣行というようなことが、著者自身の近年の経験や人生の中での記憶も交えて語られる。更に生物に関する研究者らしく、「そもそも生物としての人間の様相を想うと…」というような要素まで交えて色々と語られる。 個人的には「“悪平等主義人民共和国”とでも呼びたい妙な様相の社会???」というような問題意識を永く持っているので、本書で綴られる様々な話題に関して「一々頷く…」というような気もした。 本書に関しては、かなり幅広い世代の人達に向けて、一定程度の「考える材料」を提供してくれるのではないだろうか?そういう意味で、少し強く本書を御勧めしたい感だ…