本書を通読すれば、19世紀後半から末というような頃の“革命”への遠い歩みが始まったかもしれないというような時期から、日露戦争期、第1次大戦期、10月革命への歩み、内戦期、第1次大戦後の時期、第2次大戦期というような流れが、史的事実と当時の思潮と或る程度知られている人物達の動向というような様々な側面で、通史的に知ることが叶う。研究者・教員として非常に長く活躍された著名な著者の作なのだが、本当に「力の籠った講義を拝聴」という感でドンドン読み進めた。 もしかすると「ロシア」に限ったことでもないのかもしれないが…現在に在っても、例えば「<ロシア革命>と呼ばれる一連の出来事の推移、知られている関係者の動向や思潮の変遷というような通史」というような、国外の事象、歴史が「存外に学ばれていない?」というような気がするのだ。殊に「ロシア」に関しては、例えば“北方領土”とか“樺太”という程度の「特定テーマだけを中途半端に取り上げる“編集”」のようなことが罷り通り、共産党政権が“赤”と危険視された流れなのか、ソ連が旗を下ろした頃の混迷というようなイメージが必要以上に増幅されていて、「古い経過が積み上げられて現在に至っている“とある社会”」として客観視されていないかもしれないような気もしている。 「ロシア」は、好むと好まざるとに無関係に、自身が住む国とは異なる経過を有する“近隣国”である。少し位、色々な事の一部を知りたいものだ。そういう中、「20世紀のあの国の流れ“そのもの”?」という側面も否定し悪い<ロシア革命>を本書のような一冊で復習してみるのも好いように思う。 実に長く読み継がれている“古典”という価値も高い本書であるが、極最近に改めて文庫化され、手軽に入手して気楽に読めるようになったというのは、非常に善いと思う。