かなりコアな楽しみ方をする為の商品

音は良い。新たなミックスだから好き嫌いは当然。思い入れ捨てれば、決して悪くない。やはり目玉はグリン・ジョンズ版「ゲットバック」CD-4だろう。初めて聞いた印象は、音の良くなった「アンソロジー3」。ここにはストリングスもウォールオブサウンドもない、激しくも生々しい演奏、艶やかなボーカルやシャウト、マニアには堪らない要素が詰まってはいる。ただ思うことは、これだったら「ネイキッド」の前にリリースして欲しかった。もしこれが先ならワインディングロードだけでも恐ろしく心を揺さぶられたことだろう、想像に難くない。今更同じような裸のテイクを聞かされても、ある意味興ざめもする。ネイキッドと言いながら切ったり繋げたり、だがこちらは違う。当時グリン・ジョンズがアセテート版に落とし、4人に聞かせたバージョン、本当にそのものなら、これ以上のリアリティーと歴史の証言はない。 このスペシャルエディションを通して、彼らの演奏が如何に荒々しくダイナミックなものか実感できた。ハンブルグの頃からこうなのだろう。 楽しめたのも事実だし、外装も凝っていて部屋に置くと映えます。(4っの窓からジャケットの表と裏の写真がセレクトできる。裏ジャケのジョンが鮮明になり、ニット帽?かぶってる!45年振り新発見。)ではあるが、この価格に見合ったものかというと、人それぞれだろう。豪華ブックレットと言うが、生き証人の邂逅以外退屈だ、全部読むの苦痛です。何時も思うが、例えばレコーディングデータを詳細に付けるとか、使用楽器をテイク毎に明らかにするとか、尽きない興味は幾らでもある。パケージにしてもいつもながら、CDはキツキツ、反れないか曲がらないか、この価格で何故ストレス感じるのか理解に苦しむ。Blu-rayオーディオは最高に音が良い。ハイレゾ、サラウンドで臨場感もたっぷり。けどビートルズには本質を外れた楽しみ、決してマストでは無い。ここに、映画「ゲットバック」のルーフトップアクトの画像でも付いていればね……実際は付いてません。 結局、永年のファンが色々な角度から耳を傾け、音源の違いやミックスの違い、今まで埋もれていた音の発見とか、かなりコアな楽しみ方をする為の商品と言える。