酒井順子『鉄道無常』を読了して、積読だった本書を読む。著者は阿房列車シリーズで百間のお供を務め、以後百間が亡くなるまで陰に陽に支え続けた方。「貴君は汽車の旅行が好きかね」で幕を開ける阿呆列車の旅だが、それは明治生まれで鉄道好きの百間が、空襲で焼け出されながらも太平洋戦争を乗り越えた先の戦後に実現したものだ。本書は、戦前からの百間の生活や文筆活動が、著者の愛情にくるまれて記されている。そして百間の手紙からも、平山氏のことを好きで頼っていたことがよく分かった。解説が酒井順子、それもまた良かった。