最近とても精力的に活動しておられて嬉しい限りの萩尾望都さんの、これまた嬉しいSFもの。原案が小松左京氏の『お召し』だそうで、ある日突然、「大人」が消えてしまうという設定です。昔から、少々は感じられる作品もあった、どこか「バタバタした感じ」、『バルバラ異界』等も少しそうで、それもまた大きな魅力の一つに違いないのですが、今作品は、設定が設定という事もあり、その感覚で充満されていて、しかもそれが、陰気な切迫感というよりは、どこか御陽気感が拭えず、大ファンの私としては、萩尾さんのバタバタはいつもそうなのですが、流石にこの設定でその感覚、そこに違和感を覚えてしまいます。何となく、萩尾望都さんの中に、「がさがさしたもの」「ざわざわしたもの」が、特に先の原発事故以降とても強くあって、それを吐き出す、というと言葉は悪いですが、作品として昇華させずにおられない、けれども決して暗くなりすぎずに、という感覚なのではないか……そんな勝手な読み方をしてしまっています。ともかく、流石の面白さで読者を引き込むのは間違いなく、先がとても楽しみな作品です!
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