今までになく凝った筋立て

老中も一目おく江戸一番の札差で悪徳商人と揶揄される三国屋徳右衛門の孫・卯之吉が、同心株を買って南町奉行所の定町廻同心見習いになり、今や江戸で五指に入る剣豪で、悪党どもに恐れられる辣腕同心と大きな勘違いをされる八巻卯之吉。 武術の心得は全くなく、吉原で毎夜どんちゃん騒ぎし放蕩三昧の卯之吉。なぜか難事件を次から次と解決していくシリーズ第22弾。 大坂町奉行から江戸北町奉行に出世した上郷備前守は大坂商人と江戸の悪党と結託し、若年寄酒井信濃守と謀って老中本多出雲守とその懐刀(と勘違いされている)卯之吉の追い落としを画策する。手始めに「南町の猟犬」の異名を取る筆頭同心の村田銕三郎を罠に嵌めようと画策する。 卯之吉のひょうきんぶりと、まじめ一辺倒の村田銕三郎との対比が面白い。また今回は今までになく凝った筋立てで、いつもの軽妙さに少し重厚感が加わったサスペンス風の展開が楽しめました。 ----- ■本書の基本情報 ・筆者:幡 大介(バン ダイスケ) ・略歴:1968年、栃木県生まれ。武蔵野美術大学造形学部卒業。テレビ局嘱託職員、CM製作会社に勤務。1995年、文筆業に転じフリーライターとして活躍。2008年、「天下御免の信十郎」シリーズ(二見時代小説文庫)で時代小説作家デビュー。 ・発行:双葉社 ・発売:2017年7月 ・ページ数:303p ■これまでに購読した幡大介上の著書 ・「大富豪同心」…第21巻まで(本書)