題名の「ポスト社会主義」という表現に強く惹かれて手にした一冊で、大変に興味深く拝読した。 本書では「社会主義」を標榜していた経過が在り、その限りでもない体制に切り替えて、以降に様々な経過を辿った国々の情況を取上げて論じている。数在るそうした国々の中から、本書で取上げられているのは、ポーランド、リトアニア、アルメニア、ウクライナ、モルドヴァである。殊にウクライナに関して興味深く拝読した。 公選の“大統領”が在って、同時に選任と任命の方法等は様々でも“首相”が在る体制を「準大統領制」と本書ではしている。米国のような「大統領制」と、日本のような「議会制」との中間のようで、そのニュアンスが色々と在るので各国毎に色々な様子は見受けられる。 本書は2021年3月に登場している。内容は概ね2020年頃迄の状況ということになる。が、現在時点で読んで、些かも古過ぎるということはない。「今年」や「去年」という次元の極最近の状況にこそ言及は無いが、十分に「現在時点の状況へ至る、少し前の経過」が判り易く纏まっている。 本書で取上げられている国々では、「社会主義」の体制の後に、著者が「準大統領制」としている体制を色々と変えている。現在に至って、或る程度落ち着いているように見える例も、未だこれから色々と在りそうな感じの例も交っていると思う。 「社会主義」を標榜していた国々が、その限りでもないということになってからの概ね30年間の経過に関して、「巷で思い込まれている?」ということを排し、「歴史」として変遷や課題と見受けられる事柄を述べている。有益な一冊。