孤高の最澄 空海と出会う

これまで、周囲が両者を比べるほどには、二人はお互いの能力を比べるということはなかった。空海は孤高こそ仏の道の本懐と言い、友人になって欲しいという最澄の弟子の願いをやんわりと断っており、最澄は決して私を棄てることなきようにと、自分を捨てる泰範を卑屈なまでに頼っていた。ところが本巻では、最澄が弟子にして欲しいと頭を下げる。史実では泰範の行動が二人の決別の原因と言われているが、なにせ昔の事なので真実はわからない。但し本作の二人においては、単なる弟子の取り合いで別れを決めそうにない。