漱石の世界

漱石晩年の作品です。 物語のはじめのうちは能天気で自分勝手な主人公の気ままな日常をリラックスしたタッチで描いています。 それが途中から主人公の友人による過去の告白になるのですがここから雰囲気がガラッと変わって 「漱石晩年の作品」 の感じが色こくなります。 男女の仲の話が恋愛ではなく情念として書かれます。 昔の人は本当にこれほどまでに神経をすり減らして人を好きになっていたのかな、と彼の作品を読むたび考えます。 当時の文学書としては読みやすいしお薦めできる一冊だと思います。