シリーズ3作目。年末年始にかけて「丸藤」で起こったエピソードを綴った1冊。寒紅の季節が来て、多くの人に寒紅を試してもらいたいと、里久は考え、少量の紅を厚紙に漆を塗った板に刷いて売り出すことを発案する。試行錯誤の末、里久の案が実現する。この出来事を通じて、奉公人や職人たちと知恵を出し合うことの重要性を知る。もう一つの出来事は、米問屋・大和屋の次男坊・耕之助が妾腹であることで、奉公人以下の扱いを受け続け、耕之助は姿を消し、生母の家の軒先で桃に発見される。読者としては桃と耕之助の将来は多難なのだろうと思う。