主人公が好きだな。

中華風の王朝ファンタジーだけど、さらっと読めた。このタイプの設定では珍しく、重苦しくない。主人公の飛牙が亡国の王(現実には詐欺師すれすれの風来坊)なので、堅苦しい宮廷や、ドロドロした後宮などの話とは無縁のせいかもしれない。 傾く国に生まれ、両親(国王と皇后)は反乱軍を前に死亡。幼くして譲位され、王の証を身に宿したまま逃げ惑う過去はかなり壮絶。だからこそ、「なんでチャラい大人に育っちゃったの?」と呆れるシーンと、「生真面目なままじゃ、辛すぎて生きられなかったよね」と共感するシーンが交互に現れる。心惹かれる主人公だ。 ラストの選択も飛牙らしい。『自分は運が悪い』と思っている飛牙だが、彼は行く先々で、人を幸せにしそうに思える。