寝耳に水の借金に苦悩する正紀

一俵でも禄高が減れば旗本に格下げになるという、ぎりぎり一万石の小大名・下総高岡藩に婿入りした井上(竹腰)正紀、家臣、領民の苦闘を描くシリーズの第3巻。 * 廻船問屋戸川屋から借金百二十七両の返済を求める書状が届いた。戸川屋のひとり娘は、元国家老園田頼母の妻女だ。頼母は正紀暗殺を企てたとして腹をつめている。復讐のにおいがするが、新江戸家老佐名木源三郎の調べでは、借金は高岡藩としてなした正式なものであるという。進退窮まった正紀は、ついに商人に屈してしまうのか!? * 家臣、正紀の奥・京、親戚筋の大名、親友の奉行所同心、知り合いの商人らの協力を得て借金返済に、さらには関東に馴染みのない淡口醤油を広めて稼ごうと奮闘する若き正紀の姿が面白い。 また、相思相愛?なのに、大名の格式が邪魔をしてか冷たそうな夫婦に見えたが、京が懐妊したことで、これからふたりの仲がどうなっていくかも楽しみです。 ----- ■本書の基本情報 ・筆者:千野隆司(チノ タカシ) ・略歴:1951東京生まれ。國學院大學文学部文学科卒。出版社勤務を経て、'90年「夜の道行」で第12回小説推理新人賞を受賞。時代物シリーズを始めとする著書多数。 ・出版:双葉社 ・発売:2018年2月 ・ページ数:293p ■これまでに購読した千野隆司の著書 ・「おれは一万石」…第2巻まで