寺島しのぶ(優子)がうつの女性を演じています。廣木隆一監督は原作を読んで、最近こんなやさぐれた女性はいないと興味を持ったそうですが、寺島はあその雰囲気をうまく出していました。自由気ままで人なつっこいがたまに爪を突き立てるノラ猫のような印象もあります。
優子はホームページ(ブログ?)を運営しており、デジカメ片手に蒲田を歩き回り、蒲田の風景を掲載します。その中のタイヤ公園の写真を見た気の弱いヤクザ(妻夫木聡)から案内を頼まれます。
優子は故郷の両親の法事で、精神に変調をきたしたことを「心のねんざ」と告白していましたが、なるほどうまい言い方だと感心しました。その帰り空港まで送ってくれた幼なじみの祥一(豊川)は、その後上京しますが、結局優子の部屋に転がり込むことになります。トヨエツは恋愛ものでは第一人者といっていい存在ですが、幼なじみのダメ男役ながら、彼の優しさに優子が癒されるシーンはよくできてます。
また蒲田で選挙活動をする早大時代の友人(松岡俊介)に出会って、旧交を温めます(?)。政治専攻だったので、優子はかなりのエリートだったことが分かりますが、今は一流企業をやめて無職です。
優子は親しい人の不幸な過去により、心のねんざを負うワケですが、そのあたりのエピソードができすぎじゃないかと思っていたら、その辺は芥川賞作家の原作だけあって、ちゃんと解消してくれました。
特典映像に「心平がゆができるまで」と題したメイキングが納められています。心平がゆとは本編中で祥一が作って優子に食べさせるかゆ(心平がゆだが、出来損なう心配(しんぺい)はねえ)ですが、特に心平がゆの作り方を説明してるわけではありません(笑、その代わり封入の小冊子に簡単な作り方の説明があります)。
寺島の第一印象は取り立てて美人でもなく、集団に埋没しそうな普通の女性。しかし誰にでも物語はあり、都会に住む女性なら誰でも共感できるような、30代半ばの女性(うつ病ですが)の心情を自然に演じていた。
DVDのパッケージには「頑張りすぎるすべての人に贈る、世界一優しい恋愛映画」とあります。頑張りすぎる人にエールを送っている映画なのは間違いないと思います。
静かなゆるい雰囲気を基調にストーリーは進展していきます。あるいは2時間チョットの長さに途中で退屈に感じるかもしません。興味をお持ちになったならご覧になってください。そして自分なりの評価をお願いします。
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