立川談志の元に入門した大学生が、志らくの名を与えられた前座時代のエピソード。そして真打ちになり「家元」の死後、テレビで売れるようになるまでの物語。談志に関しては様々な人が書いているから知られた話もあるが、これほど読ませる本は少ない。笑わせ、時に涙を誘う内容は、まさに芸。昨今の笑えない芸人とは格段の差がある。夢枕獏氏は帯文に「サービスの行き届いた私小説」と書いているが、師弟合作のノンフィクションとも呼べるのではないか。久々、面白い本に巡り会った。