本筋より高岡藩の代替わりが気になるところ

一俵でも禄高が減れば旗本に格下げになるという、ぎりぎり一万石の小大名・下総高岡藩に婿入りした尾張徳川家一門の井上(竹腰)正紀、妻・京、義父(当主)・正国、義母・和、家臣、領民の苦悩と苦闘を描くシリーズ第20弾。 * 先代藩主正森の頃から三十年にわたって仇を追っているという高岡藩の下士と出会った正紀。その侍に本懐を遂げさせるべく助力することになった。一方、北町奉行所高積見廻り与力の山野辺は、女衒のもとから恋仲の娘を奪い返そうとする、貧乏御家人の三男坊に力を貸す。関わりのなさそうなこの二つの事件は、意外なところで交わり。。。 * 兄の仇を三十年も捜し続ける高岡藩士を助け、本懐を遂げさせるべく動き回る正紀らの地道な探索が見もの。これに積極的に協力した先代藩主・正森は尾張藩系の現藩主や正紀を嫌っていたが、正紀が気に入ったよう。正紀への代替わりが近々ありそうな展開なので、その時正森が大いに助力してくれそうな予感がしますね。 ----- ■本書の基本情報 ・筆者:千野隆司(チノ タカシ) ・略歴:1951年東京生まれ。國學院大學文学部卒。出版社勤務を経て中学校教諭となる。90年「夜の道行」で第12回小説推理新人賞を受賞。「おれは一万石」シリーズと「長谷川平蔵人足寄場」シリーズで第7回歴史時代作家クラブ賞「シリーズ賞」を受賞。 ・出版:双葉社 ・発売:2022年3月 ・ページ数:170p ■これまでに購読した千野隆司の著書 ・「出世侍」(全5巻) ・「おれは一万石」…第19巻まで(本書) ----- ◆AFP情報 … ジャンル:本・雑誌・コミック、料率:3%