道徳観が・・・

1~3巻まで読了後、3巻通した感想です。 「AI知能が暴走し・・・」とか「んでもって自己増殖し、人類に歯をむく・・・(以下略)」というのは、すでにSFでは使い古されたネタ(例:彷徨える艦隊)ですが、本作はそれを逆手にとった発想です。 実在人間の人格をコピーしたAIが恐るべき自己増殖を続けつつ、それぞれが個性を持って、しかも、次第に豊かな個性を持ちつつ、ただし敵には立ちません。侵略者(エイリアン)から人間を守ってくれます。 このAIの個性がユニークと言えばユニークなのですが、ちょいおたくったところ等、もろ「老人と宇宙:終わりなき戦火(ジョン・スコルジー)」にかぶっています。むしろ、そういった意味ではスコルジー版の方がよく書き込まれていて痛快です。 また、分裂したAI人格ごとに、短い文脈で細切れに視点が入れ替わる点が、スピード感を損なっている感があります。著者は、それらを最後に一つに大きな流れにまとめ上げることでカタルシスをもたらそうとしていますが、3巻にも及べばむしろ集中力がそがれます。 さらに、この物語でつづられている道徳観がどうしても、個人的にはしっくりこず、楽しみはしましたが、そこまでですね。