奇跡的な物語も彼らの真実

『Now And Then』は歌詞がとても切ない。 付属の和訳ではピンとこない。(ジョンの歌詞全般に言える)原文英詩をそれぞれに感じる方がいい。(難しい単語ないので)歌詞はシンプル、綺麗に韻を踏んで、改めて詩人だと思わせる。曲としては「フリー・アズ・ア・バード」「リアル・ラブ」の方がビートルズらしいと思う。しかし、解散から53年後の今、彼らの新曲が聞けるのは素直にうれしい。シングル盤の裏ジャケットの時計に纏わる話しがネットで確認できる。スピリチュアルなジョージのエピソードとして、とても素敵で泣ける話しだ。妻のオリビアが語るショートムービーも良かったです。興味のある方は是非見て下さい。新曲以外にもデミックス技術を用いた2023年ニューミックスが6曲ある。 1-9 アイム・ア・ウォルラス 1-11 フール・オン・ザ・ヒル 1-12 マジカル・ミステリー・ツアー 1-15 リボリューション 2-7 ヘイ・ブルドッグ 2-11 オールド・ブラウン・シュー 赤盤の30曲に比べ少ないのは、既に50周年盤で「サージェント」「ホワイト・アルバム」「アビーロード」「レット・イット・ビー」の収録曲は既にリミックスされ、その音源が使われている為だ。50周年盤の音源聞いていない人は、更にお得。 上記の6曲、違和感はある。しかし、今まで埋もれいた音が聞こえる、各楽器の輪郭がクッキリし、バンドアンサンブルの良さ・凄さを実感できる。定番のミックスにはなり得ないだろう曲も、色々楽しめる。以前ビートルズのリミックスなどと、神をも恐れぬ凡人の所業みたいに言われた。しかし、オリジナル盤が消滅する訳なく、オプションとして楽しめばいいと、今では多くの人は歓迎している。それだけ、ビートルズが残した音源素材は素晴らしい。赤盤ほどではないが、青盤も十分に堪能できた。ブックレットのライナーノーツは入門者には中途半端、マニアには退屈。レコーディングの記録が全く記されていない。先の6曲も、2023年ニューミックスとはどこにも書かれていない。原曲の録音日、使用ギター、効果音の使い方、などなど。知らない人のビートルズ論より、事実の記録がほしい。彼らの真実自体が奇跡であり、その集大成が『Now And Then』で、ジョージの話しまでついてくる。奇跡的な物語も、やはり彼らの真実である。