いやー、読み応えありました。 昭和感。薄幸感。真ん中に一本筋がきっちりとおった感じ。浮かれていても自分の中心を見据える目。いや、見据えずにいられない目。 桜木紫乃氏でなくては描けなかった物語だと思います。「緋の川」も素晴らしかったけれど、それを楽々超える作品です。 同じ北海道出身のカルーセル麻紀さんがモデルとのことですが、読み進めていくうちにそのことはちらつかなくなりました。これはあくまで桜木紫乃さんが描く「秀男」の物語なのかもしれません。 でも、カルーセル麻紀さんからの注文がひとつあって、「とことん汚く描いて」ということだったそうです。なんてかっこいい。カルーセル麻紀さんはお顔くらいしか存じ上げなかったけど、ちょっと興味がわいてきました。