人は“カミ”というようなモノを想定する精神文化を有するが故に他の動物とは一線を画しているのかもしれないが、正しくそういう精神文化の日本国内での変遷に目線を向け、「最近の色々?」というようなことにまで話題を拡げている。夢中になってドンドン読み進めて、何時の間にか読了に至ってしまった… 本書に在って「人は“カミ”というようなモノを想定する精神文化を有する」ということに関して、考古学と諸々の文献の詳細な検討という作業を解して、その種の営みの「日本に於ける変遷」というようなことに巧みに絞り込みながら語っている。その辺りが秀逸であると思う。 明確に起りが判り悪い程度に古くからの尊崇を集めている社を引き合いに、「現在言っている“古くからの”は、実は存外に新しい…本当の原初の姿は?」というようなことがドンドン取上げられている。 本当に“カミ”というようなモノを想定する精神文化については、長い長い年月で変遷を経ている。古代、中世、近世、近代と経て最近の様子が在る。そうした「日本に於ける“カミ”という存在が関わる精神文化の変遷」に関して、「“信仰”らしきモノが起こって拡がる過程に如何いうことが?」という辺りから、「或る種の“信仰”めいたモノが見受けられる昨今…」という状況まで、本当に『日本人と神』という題名の下に雄弁に語られているのが本書だ。 自身では、明確に「〇〇に帰依し…」というような感じの信心は有していないと思っているが、他方で“カミ”とでも呼ぶべき、自身の幸運をもたらす「何か」への感謝の念は忘れるべきではないという程度のことは常々思っている。そういう意識で本書に触れると、本当にこの国の社会の変遷の中での「精神文化の経過」というモノが判るような感じになる。読書の細やかな時間の有益性がこんなに高いと感じる経験も、なかなかに出来ないかもしれない。 非常に御薦めな一冊に出くわすことが叶った!