決して事典ではない(著者も書いている)

事典というより読み物として読んでほしいとのことです。 事典というには著者の主観が圧倒的に強いのは閉口します。 また宮城道雄より後の人・作品は全てカットされていて致命的です。 ●1 見づらさ まさに古臭い昭和の社会の教科書と同じ紙面で大変見づらい。 良く見えないレベルの小さいモノクロ写真や 数ページにわたる図、更に(~カ)という”謎の記号”の使用の連続、 後でどこに何を書いていたか探すのが大変です。 ●2 謎は放置で持論の展開ばかり 少なくとも書籍として事典と書いているのに 「~ようだ」「~かもしれない」「~と思う」など ”自分はこう思うけど、責任は持ちませんよ”的表現が多すぎて どこまでが史実なのか分からない部分が散見される。 ●3 語彙があまりに俗っぽい 平安時代はほぼフリーセックスだとか、 箏をペットとして扱うとか そうかもしれないけれど、言い回しの臭いがキツ過ぎる。 わざとスポーツ新聞に寄せてるのか 「○○は△△だったのか?」な小見出しも多いので 主観の押しの強さと相まって読み進めるのが困難になります。 ●4 時代を網羅しきれていない 宮城道雄より後をバッサリと切り捨てているのは 現代邦楽には何の役にも立たないので、 最初から説明文で書いておいて欲しいです。 ●良い点 それでも貴重な和楽器の歴史の一部と箏の詳細は知ることができます。 集大成的な本が見つけにくい中では手に取りやすいでしょう。 だから買ったのですが・・・。 古典作品~宮城作品までの詳細一覧や 楽器としての箏の名器についての章の2点に関しては 一読の価値はあるかと思われます。 ●最終評価 以上タイトル通りの「箏の事を網羅した書籍」ではありません。 もちろん、もっとカラー写真や文章配置の見やすさ、 何よりも校閲等で文章が洗練されたものがあれば何よりなのですが。 値段も安くないし期待が高かったので仕方なくこの評価にしました。