かけがえのない肺を大切に

COPD(慢性閉塞性肺疾患)などの慢性呼吸器疾患の終末期は、呼吸困難の苦しみを伴い、「本書にはすべてを書けないほどの修羅場を見ることもしばしば」、「高齢になって肺疾患が進んでしまった人の現実は、言葉にできないほど残酷」であるとされています。 筆者は、呼吸器内科(息切れ外来)の医師として、「COPDや肺がんで苦しみながら(「先生、苦しいから、もう死なせて下さい」と訴える患者も!)亡くなっていった多くの患者を診てきて、その苦痛、後悔、無念を伝えることは、診療に携わってきた医師の務めであるとの思いから、「日々襲ってくるウイルスや細菌や粉塵を懸命に排除し、闘っている自分の肺や免疫細胞を背後から銃で撃つようなこと-喫煙-ができるだろうか」、「今ある生命の闘いを意識してタバコをやめてほしい」とのメッセージを切々と述べています。 …私事で誠に恐縮ですが今年になって、胸膜炎(胸水貯留)の原因究明のため胸腔鏡(内視鏡)による肺組織の生検を受けたので決して他人事ではなく、「(一生健気に働き続ける)(再生能力がない)肺や気管支を大切にしたい」との思いを新たにしたところです。