本書は、嘗て「日本語の文法〈古典編〉」として出版されていた書籍の文庫版である。「係り結びの研究」もそうだが、 大野晋氏の功績は橋本進吉博士由来の音韻に則った語源の解明にあると思う。助動詞をただの暗記モノ、係り結びをただの法則と教わっている残念な高校生こそ本書を手にとって欲しい。不規則と思われる活用にも由来があることに驚くだろう。できれば辞書も大野氏編の「岩波古語辞典」に替えてもらいたい。古語の源流に触れることで、物言わぬ教科書の本文が饒舌に物語りを始めることに感動を覚えるに違いない。