謎解きに奔走する直之進と仲間たち

わけも告げず姿を消した妻・千勢を探し求めて、駿州沼里(現在の静岡県の中東部)から江戸にやってきた湯瀬直之進が糊口をしのぐたため、口入屋・米田屋の住込み用心棒となった第一巻からはじまり、今は秀士館(今でいう大学)で剣術指南をし、妻(米田屋の娘)と子の平和なも三人暮らし。 そんな直之進が突如黒覆面の男に襲われた。さらに同じ日、秀士館の敷地内にある古びた祠のそばから、戦国の世に埋葬されたと思しき木乃伊(ミイラ)が発見され、日暮里界隈が騒然となる。野次馬を巻き込んでの騒ぎが一段落したと思われたその矢先、今度は新たな白骨死体が見つかり…。 事件の謎を追う直之進に、かつて殺し屋として直之進と死闘を繰り広げ、今は友垣となった倉田佐之助が加勢する。 毎度おなじみのおかまチックな南町奉行所同心・樺山富士太郎とその初老の中間で従順な珠吉、元用心棒仲間で今は米田屋を継いだ、腕は立たないが商才たっぷりの平川琢ノ介らも登場する。 多彩なキャラクター設定とその心理描写が面白い。また、文書のリズムが心地よく、とても読みやすいです。 ----- ◎本書の基本情報 ・筆者:鈴木 英治(スズキ エイジ) ・略歴:1960年、静岡県沼津市生まれ。明治大学経営学部卒業。'99年、『駿府に吹く風』(刊行に際して『義元謀殺』に改題)で第一回角川春樹小説賞特別賞を受賞 ・出版:双葉社 ・発売:2016年8月 ・ページ数:375p ◎これまでに購読した鈴木英治の著書 ・「口入屋用心棒」…第34巻まで