センセーショナルな、それでいて地道な積み

女優でもある著者は芸能界の理不尽に対し、立った一人で声を上げた。行政の助けを借りるにはデータが必要と、反発を覚悟でアンケート調査を開始、なんども省庁に通い、何度も絶望しながらもついに令和3年、芸能従事者の労災保険特別加入を実現する。しかし芸能界が変わったわけではない。まだまだ道半ばなのだ… そんな著者を突き動かすのは世界の芸能界の先駆者たちと日本でつらい目にあってきた著者の周りの人々の心の叫びだ。著者が代表理事を務める一般社団法人日本芸能従事者協会が収集してきたアンケートの回答には心が揺り動かされる。名前なきアンケート回答者が本書の第二の主人公なのだ。 本書は著者の戦いの記録である。そして、一方で、労災やハラスメント、適正取引に関する入門書としても読める。芸能に関わっている人、友人家族に芸能関係者がいる人、そして何より、芸能従事者と取引する立場の人に届いてほしい。