ダイジェスト燃えよ剣

原田眞人監督のオーディオコメンタリーによると、最初は2部作で構想されていたが、製作側から拒否されて、1本に纏めたとのことだ。しかし、司馬遼太郎の原作が長大なのだから、こういう映画こそ2時間超の2部作、3部作でやるべきだろう。劇画の映画化などは数部作でやっているのだから何でダメだったのだろう。結果、2時間30分余で近年の日本映画としては長編大作だが、原作を読んでいる者からすればダイジェスト感は否めない。 「燃えよ剣」は二度目の映画化である。1作目は1966年の松竹作品で、今でも土方歳三俳優の極めつけとされている栗塚旭主演。その前にNETテレビ(現テレビ朝日)で演った「新選組血風録」の同役が好評だったことから企画されたものだろう。この作品は当時のプログラムピクチャーの1作だったので僅か90分、池田屋の変をクライマックスとして終了。この後1970年、栗塚旭は引き続きNETで「燃えよ剣」26話に主演、これこそ大河ドラマに匹敵する名作として、現在も残る「新選組」映画の決定版となっている。要するにテレビで26話約20時間で描いたものを、最初に書いたが、映画とは言え2時間30分で纏めるのは無理な話。「関ケ原」、「峠」と司馬遼太郎の小説を映画化してくれるのは嬉しいが、どれも中途半端に終わっている。やはり映画化するとしたら2部作、3部作でやるべきだと思う。