やはり主役の蔵人介に一安心

『毒を啖うて死なば本望』―将軍家毒味役を務めた御膳奉行・矢背蔵人介、この職を養子の卯三郎に譲り、「影鬼」となった。個性豊かな脇役たちを取り揃え、蔵人介の田宮流居合の必殺剣がますます冴える壮大なシリーズ第33弾。 * 将軍家毒味役を養子の卯三郎に譲り、「影鬼」となった矢背蔵人介。卯三郎に初めて「裏御用」を命じる老中の阿部伊勢守から命じられた。密命は卯三郎の役目と突き放していた蔵人介だが、的とされている「奸臣」の普請下奉行・菅沼弥兵衛に悪評はまったく聞こえてこない。しかも、蔵人介の義弟・綾辻市之進の幼馴染みでもあり、さっそく真相の追及に乗り出したのだが。。。 * 卯三郎が主役、蔵人介が脇役として新スタートかと思っていましたが、やはり主役でした。こうでなくては面白くないですね。終盤、若き老中・阿部伊勢守から蔵人介への問いかけへの蘊蓄ある返答が、まるで親が子を諭すようで、とても印象的でした。 ----- ■本書の基本情報 ・筆者:坂岡 真(サカオカ シン) ・略歴:1961年、新潟県生まれ。11年の会社勤めを経て文筆の世界へ。花鳥風月を醸し出す筆致の時代小説を描く。その作品の質の高さには定評があり、「鬼役」シリーズは驚異の7ヶ月連続刊行で話題となる。 ・発行:光文社 ・発売:2023年4月 ・ページ数:314p ■これまでに購読した坂岡真作品 ・「鬼役」…第32巻まで(本書) ・「鬼役伝」…第1巻まで ・「死ぬがよく候」…第4巻まで ----- ◆AFP情報 … ジャンル:本・雑誌・コミック、料率:3%