対抗形を言葉で

あらきっぺさんの4作目です。まずタイトルが素晴らしい。装丁も同様にいわゆる将棋本らしくないけれど、中身は王道中の王道、将棋についての根本に切り込んでいる一冊です。それは著者の前3作も同様です。本作は、振り飛車が居飛車に対して、どうして不利かを系統立て分かりやすく語ってくれています。居飛車党が振り飛車への対策指針としても読めますし、振り飛車党がいかに対等な勝負に持ち込むかの指南書としても読めます。定跡書や戦略書の面もあると思いますが、私はどちらかと言うと、将棋はどういうゲームなのかを言葉で追求している作品だと思っています。あらきっぺさん独自の切り口と用語は、従来の将棋本にはないものですが、そのおかげで級位者も有段者も楽しめると思います。