サマルカンドの商人の娘・瑠瑠と、清国名家のご令嬢・月華のコンビなど、設定自体は好物。中央アジアの衣裳も、世界観に合わせた表現になっていたことも良い。ただ、内容が全体的に浅すぎる。
月華が、北京に着いたばかりの瑠瑠を相棒に選んだ理由や、月華の『つまびらきの写し鏡』の力の詳細は不明。月華が、瑠瑠を耳目しにて情報を集めるものの、別ルートで得た情報を基に謎解きをしていることも多く、相棒が瑠瑠である必要が感じられない。一応、「清国の常識の外の人物がほしかった」と匂わされてはいるが、瑠瑠のそれが生かされた感じも少ない。むしろ、相棒にふさわしいのは、月華の侍女・小愛では? との気もする。小愛ルートの情報が、月華ルートよりも重要な感じが強かった。
また、「初めから分かっていた」感じで安楽椅子探偵月華の謎解きに納得感がない。
「第六話」に至っては、政敵に謀られて、月華の一家がいきなり国家転覆罪で逮捕される。が、それがご都合主義的。黒幕の断罪も、月華と小愛との和解も不十分。満人の名前、瑠瑠の姓、母・兄の名、「古蘭(コーラン)」など、「漢語(中国語)以外の用語」を漢字で書くなら、毎回ルビを付けてほしかった。というより、無理して漢字で書かなくても、素直にカタカナで書いても良かったのでは?
続編でより深みが出ることを期待したい。
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